黒猫ルーとねがい星のかけら

5分で読める童話

くろねこルー

ちいさな山小屋やまごやにルーという黒猫くろねこが住んでいました。

あるふゆ、おばあさんねこがルーにこんなはなしをしました。

雪山ゆきやまのてっぺんには、“ねがいぼしのかけら”がちているんだよ。
それを
つけたら、たったひとつ、どんなねがいでもかなうんだってさ。」

ルーはそら見上みあげて、そっとつぶやきました。

「もしねがいがかなうなら、ぼく……」

でもそのねがいは、だれにもこえませんでした。

つぎ、ルーはひとりでたびることにしました。

つめたいかぜくなか、ちいさなからだ雪山ゆきやまのぼりはじめたのです。

こおりのうさぎ

とちゅうでルーは、こおりのようにきとおったゆきうさぎに出会であいました。

「どこにくの?」ゆきうさぎ。

「ねがいぼしのかけらをさがしてるんだ」とルー。

ゆきうさぎはくすりとわらっていました。

「それなら、いちばんさむいたにえないとね。でもをつけて。こころつめたくなりすぎると、ほしのかけらはえなくなるよ。」

ふぶきのこども


ゆきはげしくなると、吹雪ふぶきのこどもがあられて、かぜをびゅーびゅーきかけました。

「にゃにゃっ! さむすぎるよ!」とルーがうと、吹雪ふぶきのこどもはにやりとわらっていました。

「さむいのがイヤならかえればいい。ねがいなんて、だれもかなえてくれやしないさ。」

でもルーは、しっかりとつめたいゆきの上にあしをふんばっていました。

「それでも、ぼくはくんだ。」

吹雪ふぶきのこどもはをまるくして、かぜめました。

「……きみはつよこころっているね。ここをとおしてあげるよ。」

ちょうじょうにて

やがてルーは、山のてっぺんにたどりきました。

そこでつけたのは、ちいさなひかいし

ルーはそれをまえにして、やっとこえしました。

「ぼくのねがいは……
 ぼくを
大切たいせつにしてくれたおばあさんねこが、ずっと元気げんきでいられますように。」

いしはほのかにひかって、そらへふわりとかびました。

そして、ほしのように夜空よぞらけていきました。

そして、、、


つぎあさむらかえったルーは、おばあさんねこきしめられました。

「ルー、どこへ行ってたの? さむくなかった?」

ルーは「にゃあ」いて、しっぽをふりふり。


そのよるそらにはひときわおおきなながぼしがひとつ、すうっとひかってながれました。

ルーはゆきかにほそめ、あたたかい寝袋ねぶくろまるくなってねむりました。

おしまい

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